社会の財産として

個人が建てた家は、個人の所有物であり、
その権利は守られており、ある意味絶大です。


何人たりともその権利を勝手に侵すことはできませんし、
法の範囲において、個人は自分の家を好きなようにできます。


こと建築物に限っては、この所有権にまで踏み込まないと、
日本のまちづくり政策や住宅政策はうまくいかないのではないか、
といつも思います。


嘆いていても何も変わりません。
できることからやっていくしかありません。


個人の所有物であっても、一軒一軒の家は社会の財産なんだ、
という意識を少しずつでも広げていくことが大切だと考えています。


自分の家が社会の住宅ストックの一部としてどうあるべきか、
などと堅苦しく考えるのではなく、
簡単に言えば、「既にある家をむやみに壊さないで大切に使おう。」
ということにつきます。


住宅戸数が世帯数を上回り、空き家問題が叫ばれて久しいですが、
いまだに、スクラップアンドビルドの習慣はそう変わっていないようです。


まだ使える家を壊す、、、
既に家は余っているのにまだ建てる、、、
親の世代も子の世代も家を建てる、、、
こんな事を続けていれば、経済にも環境にも負担は大きいはずです。


自分の家を社会の財産として将来どうするか。
みんながこのことを考えておく必要があると思うのです。


"社会に良質な住宅ストックを循環させる"
"あなたの家を社会の財産として有効活用します"
という理念を掲げて、住宅の借り上げ制度を行っている、
「移住・住みかえ支援機構」という社団法人があります。
http://www.jt-i.jp/index.html


機構が、空室時の家賃も保証した上で住宅を借り上げ、
一般の入居者へ転貸する制度を行っています。


子供が独立して、部屋を持てあましているような家は
世の中にたくさんあると思いますので、
こういった制度が広まれば、貸す側も借りる側もメリットが大きく、
社会の財産の有効活用になると思います。


こういった制度を知っておくことが大切だと思います。
あくまで所有している個人がどう判断するかにかかっているわけですから、
判断材料は多いに越したことはありませんので。




岡山市の不動産は有限会社バルプラン

貴重な出会い

片岡八重子さんという女性建築家にお会いしました。
神町にある株式会社ココロエという設計事務所の社長さんです。


"人物"でした。久しぶりに、興奮しました。
「おもしろい」・「すごい」と思える人に出会ったときの興奮です。


一番は経歴がおもしろいです。
短大を出られた後、不動産会社で営業の仕事をされてから
住宅の設計に興味をもたれ、社内の設計部だけにとどまらず、
大学に入り直して建築を勉強されたそうです。


不動産業を知っている建築家なのです。
もちろん宅建の資格もお持ちでした。


"建築を勉強した人がもっと不動産業に参入すべきだ"
と常日頃思っている私にとっては、
「こんな身近にいたよ!」と、生意気で失礼ですが、
お話ししながら、心の中でガッツポーズしてました。


元々千葉のご出身で、東京で勉強も仕事もされていた方ですが、
ご主人が岡山の方で、その縁で2008年から岡山へ来られ、
設計事務所を立ち上げられたそうです。


東京の時から続いて携わっているという、
住宅の建て売りプロジェクトは、
不動産屋の私にとっては、とても興味深いものでしたし、
見せていただいた住宅はどれも魅力的でした。


すごくバイタリティーを感じたのは、
尾道での空き家再生プロジェクトをはじめ、
あちこちで、まちづくりの活動を精力的にされている点です。


尾道ではNPO法人を立ち上げて、
国の助成金を使いながらいくつも住宅を再生し、
今後は助成金に頼らないで活動できる形をめざして頑張っているそうです。


まちづくりの仕事を手伝っていた東京の学生さんが
最近会社に入られたそうです。
この一点でも、片岡さんのお人柄も分かります。


いるんですよね、近くにもすごい人が。


こういう人に会うと、自分の未熟さを学びます。
そして刺激を受けます。


負けないようにがんばります。


ココロエ一級建築士事務所
http://kokoro-e.jp/index.html
NPO法人尾道空き家再生プロジェクト
http://www.onomichisaisei.com/




岡山市の不動産は有限会社バルプラン

考えても考えても


連休中に、「鉄の骨」(著者:池井戸潤)という本を読みました。
2年ほど前にNHKのドラマにもなった作品ですが、
ゼネコンの"談合"が主題の小説です。


まずは談合のことよりも、
主人公が建築の現場監督として働いている設定で、
かつて私がやっていた仕事と同じなので、
その現場の描写に興奮しました。


「あったあった!そんなこと、わかるわぁ。」と
思わず声に出してしまいそうでした。


それは余談ですが、
この工事現場がすごくリアルに書かれていることからも、
緻密な調査に基づいてこの物語が書かれているんだと思いますので、
主題である談合の話もかなり真に迫ったものなのだと想像がつきます。


"必要悪"。
物語の中でもよく出てきますが、恐ろしい言葉です。


悲しいことですが、
談合はこの国を成す"構造"の一つとなっていたのでしょう。
私がゼネコンにいたときも、
末端の社員でもそれは現実のものとして感じていました。


最近は、談合のことをニュースで見なくなりましたが、
なくなったのでしょうか?


これだけ、コンプライアンスが叫ばれる時代ですから、
当然といえば当然ですが・・・
本当になくなったのでしょうか??


そうであったほしいと思いますが、
もちろん私には実態はわかりません。


先日、とある設計事務所の方から聞いた話は、
またそれはそれでショックでした。


設計業界でも、公共工事の受注には談合が行われていた。
当たり前のような話だったので、ここでまずビックリ。


姉歯事件以降、談合はなくなったが、
受注金額のダンピングが起きてしまい、
仕事をとっても赤字、みたいなことになっているらしい。


小説の中でも、
「談合がなくなれば、入札金額の下げ合いになってしまい、
業界全体が沈んでしまう。」
というようなことが、やはり書かれています。


考えれば考えるほど、本当に、悩ましい問題です。
ため息が出てしまいます。


物語の最後は、談合に関わった人たちが逮捕されます。
悪が退治されてハッピーエンド、のはずが、
読み終わってもスッキリしないままです。


私が悩んでも何も変わらないのですが、
これがまたもどかしいのです。




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色んな家に住みたい病

仕事柄、様々な家を見ます。


これまでどれ位の家を見てきたでしょうか。
数えてないので分かりませんが、
賃貸住宅も加えると結構な数になると思います。


建物探訪の渡辺篤郎さんのように、
建築家が設計したオシャレな家ばかりではなく、
ごく普通の工務店さんが建てたような家や、
ハウスメーカーさんの賃貸アパートなんかも多いです。


いかにも設計士さんが設計しました〜、みたいな家も
もちろん面白いですし、好きですが、
そうでもない、何でもない家も嫌いじゃないです。


おっと思うようなデザインの細部を見つけたり、
これは使いやすい、面白い、と思うような間取りもよくあります。
どんな家にも何かしらキラリと光るものがあるものです。


そして、家って不思議なもので、
家の中に何にもない空っぽの時は、
カッコよく設計された家とそうでもない家とでは、
後者が見劣りしてしまう感がありますが、
いざ人がその中で生活を始めると、
そうでもない家もそれなりに味が出てくるものです。


それは住む人の「生活感」や「価値観」が反映され、
生きている空間へと変わっているのだと思います。


私はこの"生きている空間"が好きです。ワクワクします。
だから、楽しそうな家を見ると、
すぐ住んでみたいと思ってしまいます。


これは仕事柄というより性格ですね。


ちょっと高台の眺めの良い家を見ると、住んでみたい。
まちの真ん中の歩いて美味しい店に行ける家を見ると、住んでみたい。
海や川が見える家を見ると、住んでみたい。
スタジオのような天井の高い家を見ると、住んでみたい。
平家の風情ある和風の家を見ると、住んでみたい。


高校を卒業し親元を離れてから、大学の寮も会社の社宅も含めて、
これまで9ヶ所の住まいを経験しています。


現在は自宅を建てて住んでいますので、これで"上がり"のはずですが、
どうしてもまた違う家に・・・という思いがどこかにあります。


一種の病気みたいのものでしょうか。。。



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不思議な出会い

先週土曜日に「堀部安嗣」さんという方にお会いしました。2回目です。
建築家で、今は全国各地でお仕事をされているそうで、
"売れっ子"といっていい方だと思います。


弊社がお世話をさせていただいたお客様の土地を見に来られ、
私もその場に立ち会ったというだけのことなのですが。


1回目は、その土地に決めるかどうかの最終判断をしようとしていたときに、
やはり土地を見に来られました。
堀部さんの「この土地はいい」の一言で決まった、と言ってもいいです。


お客様が家を設計してもらう建築家として選ばれたのが、
堀部さんだったわけですが、
東京の建築家をご指名されたという驚きだけでなく、
私にとっては、"えっ〜!堀部さん!!"って感じでした。


建築の学校を出て、建築士の端くれとして、
常に世の建築の動向は気にとめているつもりですが、
現実はそんなに多くの情報をチェックできるわけではありません。


そんな私が、3・4年前に何年ぶりかに買った建築の作品集が
堀部さんのものだったのです。


不思議な出会いです。
そんなことで、堀部さんに会えるのは、
憧れの人に会うような感覚で、ちょっと興奮しました。


堀部さんの建築は、
決して派手さや奇抜さはなく、
どこかやさしくて静けさが漂っている感じがします。


最近の作品が動画で紹介されています↓
http://www.youtube.com/watch?v=sBYAvB-0PiM
堀部安嗣建築設計事務所
http://www1.ocn.ne.jp/~horibe-a/


どんな家が出来るのか、とても楽しみです。



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附久マンション102リノベvol.8


結局3月末までかかってしまいましたが、
ようやく完成です。


今さらですが、天窓があるんですよ。
結構明かりが入ってきますし、空が見えるのは嬉しいです。




いろんなものが付きました。


水回りに入る建具。
いたってシンプルなもの。
 


ハンガーパイプ。
これだけあれば、相当の服が掛けられます。
高めに設置してあるので、服の下に高さ90センチの
衣装ケースも置けます。


エアコンとカーテンレール。
エアコンは分解洗浄しました。
カーテンレールは、ステンレスのちょっとカッコイイやつ。
 


洗面所の鏡と棚とペーパーホルダー。
棚板はあと2枚あるので、計4段の棚になります。
洗面所に収納がない物件が多いですが、要りますよね。
 


キッチン。ステンレスの天板、いいね!

ガスコンロと無垢鉄のフックバー。
 
ちょっとかわいい水栓金具。


部屋の照明スイッチだけ、ちょっとこだわりました。


まさに生まれ変わりました。
一見の価値ありです。
募集条件はコチラ↓
http://www.athome.co.jp/kr_01/dtl_1903863001/?DOWN=1&BKLISTID=001MPC&SEARCHDIV=1



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都市をリノベーション

最近は「リノベーション」という言葉が、
一般的に使われるようになってきました。


明らかに「リフォーム」とは区別して使われていて、
新しい価値観をもった前向きな行為としてイメージされていると思います。


『都市をリノベーション』というタイトルの本があります。


一言で言うと、今世の中に拡まったこのリノベーションという
新しい価値観・手法を"都市計画"や"都市再生"へと援用していこう、
ということが、さまざまな事例や試みを紹介しながら書かれています。


馬場正尊さんという方が書いたものですが、
個人的に、ぜひ一度お会いして話を聞いてみたい人です。


この人は、世に「リノベーション」を普及させた功労者の一人だと思います。
早稲田の建築をでて、広告代理店の博報堂で働かれたり、
雑誌の編集長をされていたりと、"やはり"変わった経歴の持ち主です。


建築設計をベースに建築・不動産・メディア・金融を横断しながら
様々なことをリノベーションしていっている人です。
東京でのリノベ活動から必然に生まれてきたという「東京R不動産」というサイト。
このサイトを立ち上げた人でもあり、今もその運営の中心にいる人です。


東京R不動産は、今やグーグルの「不動産」に関連する
10個の検索キーワードになるような、すごいサイトです。


私も初めてこのサイトを見たときは、衝撃でした。
不動産サイトの概念を変えさせられました。


私も建築と不動産の両方に関わる仕事をする、が信念ですので、
生意気ですが、「やられた!」「くやしい!」とも思いました。


馬場さんが言われる、「都市をリノベーション」。
とても共感しますし、自分が進んでいきたい道でもあります。


一つ一つは小さなリノベーション事業でも、
それらが繋がりをもって線になり面になっていったら、
きっと街はおもしろく、元気になっていくような気がします。


岡山のような規模の地方の街にも、
そんな動きがちょうど合っているのではないでしょうか。
今後は大きな再開発などなかなか難しいでしょうし。


一つのリノベーションをきっかけに街が変わっていく。
そんな光景が見られるようになるといいですよね。
岡山をリノベーションしよう!



都市をリノベーション↓
http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100002135
東京R不動産
http://www.realtokyoestate.co.jp/




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