あいまいもこ

goo辞書によると、


あいまい-もこ 【曖昧模糊】
(ト/タル)[文]形動タリ
はっきりせず、ぼんやりしているさま。
「―とした表現」



「あいまい」という言葉は知っていたのですが、
恥ずかしながら、大学を卒業するまでこの言葉を知りませんでした。


曖昧と模糊をくっつけた四字熟語ですが、
どちらも似た意味をもっていますから、より強調したものになるのでしょうか。


初めてこの言葉を目にしたのは、とある建築雑誌の特集タイトルでした。
てっきりそれは、特集されていた「象設計集団」の造語だと思ったのですが、
普通に辞書に出ている言葉だと知り、恥ずかしく思ったのを覚えています。



一般的には決して好ましい意味の言葉ではないかもしれませんが、
個性あるこの設計事務所は、この言葉を肯定的にかつ楽しそうに使っていたのです。


象設計集団には"7つの原則"という理念があり、
その1つが「あいまいもこ」なのです。


あいまいもこは,限定されないで,どっちつかずで,はっきりしないことです。
建築か庭か街か,内部空間か外部空間か,建物か衣服か,遊びか仕事か,
今か昔か未来か,完成か未完成か,株序があるのかないのか,部分か全体か,
本気か冗談か,生徒か先生か,誰がデザインしたのか,‥‥‥
私たちはこのようなことがらについて,あいまいもこな世界に住み続けていきたいのです。
(7つの原則より抜粋)


サイト→http://www.zoz.co.jp/index.html


この雑誌を読んで以来、このひらがな6文字は強烈なインパクトとともに
私の頭に焼き付いています。


確かに世の中がきっちりしすぎて、「あいまいもこ」としたものがなくなったら、
窮屈で息が詰まるような気がしますよね。


もともと日本の文化は「あいまいもこ」を"是"とする側面をもっていますから、
これからも上手に「あいまいもこ」としていきたいものです。