土地の境界を考える


今週の月曜日に中納言町の土地の境界の立会いをしました。


土地家屋調査士の段取りのもとに、役所の担当者や町内会長、
隣地の所有者の方々にお集まり頂き、現地を確認しながら境界を確定させていくものです。


よく耳にする「境界のモメゴト」はこういうときに起こります。
この中納言町もそうですが、特に古い地域には境界を決める根拠となる資料が
ないことが多いため、話し合いでお互いが合意しない限り確定しないのです。


双方の思っていたことに食い違いがあったらやっかいですよね。
例えば、自分の敷地の中に建っていると思っていたブロック塀が、
お隣の人も自分の敷地の中に入っていると思っていたりしたら・・・
数センチのことで裁判になることは珍しくありません。


以前、そのようなモメゴトの仲裁に入った経験がありますが、
話を聞くと、お互いが、
「わずかなことでお隣と喧嘩したくないが譲れない」
という考えでした。実際にもめてる間は相当気まずい関係だったようです。


最終的には、お互い譲り合って決着したのですが、それなりに時間はかかりました。
その後は以前の関係を取り戻したようなので、よかったのですが、
もしまとまらなかったら、と思うとゾッとします。


三者だからかもしれませんが、
「どうしてそんなにこだわって喧嘩するのだろう?」と不思議でした。
その数センチ変わっても、おそらく99%何も生活は変わらないはずです。
失礼なのですが、意地になってるとしか見えませんでした。


土地に対する執着心は、日本人の民族性なのでしょうか。
自分の城、自分の資産ですから、分からなくはないのですが・・・


長ーい歴史のなかで、わずか数十年そこに住むだけです。
もっといえば、母なる地球の一部に住まわせていただいているのです。


「小さなことにこだわらず、楽しく暮らそうよ。」
なんて言ったら、無責任だ、と怒られそうですね。